グロテスク
- 作者: 桐野夏生
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2003/06/27
- メディア: 単行本
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99年の東京電力OL殺人事件をモデルにした小説。殺害された「佐藤和恵」の友人「わたし」が告発していく形で物語が展開して行く。上巻はもっぱら中学時代、高校時代の回想になっていて、舞台のQ学園中・高は誰が読んでも慶應中等部&慶應女子高。現実の殺人事件でも被害者は慶大卒だったので事実と一致します。
その青春生活が「グロテスク」なほどに陰湿に、醜く描かれており、読んでいて気分が悪くなります。
どこまでが現実にあり得る話なのか男の私には想像もつきません。正直、「こんな話はないだろ」と思いますけど実際どうなんでしょう。内部の人が読んだら腹が立つんじゃないのかな。でも中にはよく描けていると感心する人もいるんでしょうか。
でもやっぱり高校生がこんなこと考えながら生活しているとは思えません。著者はもうおばさんだし…。
読んで思ったのは、女性が生きている世界は男が生きている世界に比べればすごく複雑で、この小説の登場人物のように生きにくさを感じている女性は自分が思っているよりも多いんだろうな…ということです。
こんなコメントを読んだら佐藤和恵みたいな人は「男は本当ノー天気でいいわね」なんて思うんでしょうか。
視野が狭いですね、僕は。もっといろんなジャンルの本を読みたくなりました。