移動平均法

各国の経済成長率を比較する時に、
そのままデータをいじらないで比べても下の図のように
その時々の景気の影響を受けてランダムウォークの動きを
みせてとても比較しにくくなってしまいます。


そんな時に前後のデータの平均を求めることで
不必要な変動を平滑化し、そのデータの方向性と周期性と
見る方法を移動平均法といいます。
下にあるのが3年移動平均景気変動の調整を行ったもの
ですが、調整を行わないものに比べて動きが滑らかに
なっているのがわかると思います。

でも、前後1年の経済成長率の平均を使用しているので、
最初の1953年と、最新の2004年のデータは見かけ上
消滅してしまいます。



そして、4年移動平均のように偶数項の平均をとる
場合は、中心が2.5年になってしまって計算上都合が悪いので、
一度4年移動平均をとって、再度その2年移動平均をとるという
めんどくさい手法を使わないといけません。
これを中心化4年移動平均といいます。

これも計算の都合上、1953・54年、2003・04年の
データは見かけ上消滅します。



最後はおまけ。5年移動平均
これは前後2年の経済成長率の平均をとったものです。



こうやってみると、一番グラフが滑らかになっているのは
中心化4年移動平均のようですね。
どれが一番相応しいのかはよくわかりませんが、
景気変動の調整はこのようにして行います。
もちろん、実際の経済成長率を見る時は
景気変動も重要な予測要因であり、景気変動
除去しないで予測に役立てないといけないんですけどね。

(データ出所:Penn World Tableのデータを加工